UEDA Dental Clinic
うえだ歯科クリニック
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| おやしらずに対する 当院の処置方針 |
おやしらずに対する当院の治療指針
当院ではおやしらずに対する抜歯を年間300件ペースで行っているせいか、おやしらずに関する相談がいちばん多いのではないか、と思います。「私のおやしらずは抜いたほうがよいのでしょうか?」「どうしてもおやしらずを残したい。抜歯を受けたくないが、なんとかならないものか?」などなど…。
当院では、おやしらずだから必ず抜歯するとは決して考えておりません。ただし、たとえしっかり生えていてもむし歯や歯ぐきの炎症に陥る可能性が高いケースでは、抜歯したほうがよいと考えております。
みなさま個人個人でおやしらずの形態は異なります。おやしらずに対する方針は患者様ごとで異なってしかるべきで、実際にお口の中をのぞいてみないことには方針が決まりません。ただ、生えているパターンによって、方針が異なるので、そのあたりをイラストで説明したいと思います。
1.おやしらずが完全に埋もれている場合
このような歯を「完全埋伏歯」と呼びますが、下イラストのように完全に歯が埋もれています。

完全に埋もれていれば、歯ぐきが腫れないじゃないか、と思われるかもしれません。しかしながら、それでも下のイラストのように腫れてくることはじゅうぶん考えられます。

こうなると、おやしらずを完全に取り除かないことには歯ぐきの腫れ・痛みは解消されませんので、抜歯を受けるのが根本的な解決策となります。
もちろん、歯ぐきがパンパンに腫れて、膿がたまっているケースでは、すぐに抜歯、というわけにはいきません。なんらかの方法で炎症を取り除く、つまり消炎処置が必要となります。
歯ぐきが腫れているときの応対
(いわゆる「消炎処置」について)
1)くすりを使う
炎症があるときの基本でしょう。おやしらずのまわりでの細菌感染により炎症が生じていますので、抗生剤・鎮痛剤などの薬剤を数日間服用していただくことが多いですね。
2)たまっている膿を出す
膿を出すとフシギとラクになるんですよね。状況により、この方法をとることがあります。ただし、歯ぐきが腫れているからといって、なんでもかんでも歯ぐきを切って膿を出す、というわけにはいきません。膿を出すのはタイミングが必要なのです。
抜歯
完全に埋もれているケースでの手順は以下のとおりです。
1)消毒・麻酔 深めの麻酔をじゅうぶん施し(局所麻酔です)、まわりをきれいにする
2)切開・剥離 おやしらずの歯ぐきを切開し、歯が見えるように歯ぐきを剥ぐ
3)歯のまわりの骨を削る 場合によりけりです
4)歯の切断および歯間歯冠除去 上イラストのように水平に埋もれている場合に行う。歯冠と歯根を分離するパターンが多いです。のち、歯冠を先に取り出します。
5)残った歯根の除去 器具を用いての残った歯根を取り出します。根っこの形態によっては、さらに根っこを割ったりするので、時間を要することもあります。
6)術部の洗浄 歯や骨の削りカス、不良肉芽などを掻き出す処置です。
7)縫合 切開した歯ぐきが開かないように閉じます
およその所要時間は30分〜1時間程度でしょうが、歯の位置・形態により所要時間が大きく異なることも考えられます。また、あご骨の相当深い部位に埋もれているケース(骨内に完全に埋もれている場合)では、かなり時間を要します。
2.おやしらずの頭が少しだけ出ているケース

こういうケースもけっこう見受けられます。歯ぐきが腫れやすいことに変わりはありません。また、むし歯にもなりやすいです。このような歯も抜歯が第一選択になるでしょう。もっとも、炎症がある場合は炎症をある程度取り除いてから行います。
抜歯の手順は上記の方法に準じますが、完全に埋もれているケースよりも切開・剥離する量は少ないので、術後の腫れは比較的少ないことが多いでしょう。また、場合により歯を分割することなく、すんなり抜けるケースも何例かみたことがあります。
3.歯のアタマが歯ぐきから完全に出ているケース
歯ぐきから歯が出ているからといって、なんでもかんでも残せるわけではありません。これはひじょうに重要な話ですが、生えてても歯みがきがしづらくむし歯をつくりやすい、あるいはまわりの歯ぐきが腫れやすいおやしらずならば、今後トラブルに見舞われる可能性はひじょうに高いのです。
生えてても、むし歯が深いケースでは、おやしらずという後方のひじょうに歯みがきしづらい部位ゆえに生じたと考えるならば、残した場合にどれだけ持つのか疑問なのです。特殊な事情もあるのでいちがいには言えませんが、個々によりおやしらずを抜くか残すかは異なってきます。
ただ、ひとついえるのは、お口の中をみてみないと安易に判断ができない、ということです。したがって、おやしらずが気になる方、一度当院で調べてみるとよいでしょう。
4.そのほか
炎症が強烈に強いと考えれるケースでは、口腔外科のある専門機関へご紹介することがあります。専門機関では点滴処置などの体制が整っているので、抗生剤点滴などで強力に消炎を図る場合に便利です。
また、あご骨深くに埋もれており、抜歯に長時間を要しそうなケースも、専門機関(おもには九州大学病院)へご紹介させていただくことがございますので、あしからずご了承ください。